建設業許可の法改正や従業員雇用にまつわる労務情報等をお届けして参ります。
さて今回は、貴社の従業員が社用車を運転中に交通事故を起こした場合の使用者責任などについて!
折しも来月から、白ナンバーの事業者のアルコール検知器を用いたアルコールチェックの義務化が開始されます。
この機会に社用車の管理・運用について、今一度確認する機会としておきましょう。
社用車使用に伴う会社の責任
自社の社員が社用車を運転中に交通事故を起こしたとき、当事者は民事上・刑事上の責任および行政上の責任を負うおそれがあります。
また、自動車の使用者(運転者の雇用主)も同様に民事上・刑事上の責任を問われることがあります。
このため、使用者は社員に適切な指導を行うと同時に、社用車の「日常点検」「定期点検」の実施が重要です。
12月から始まるアルコールチェックのポイント!
2021年6月28日、千葉県八街市の市道で、飲酒運転の自家用トラックが下校していた児童の列に突っ込み5人が死傷した事故を受け、道路交通法施行規則の改正があり、本年12月1日より、安全運転管理者による運転前後のアルコール検知器を用いたアルコールチェック業務が追加されることになりました。
《原則》対面での確認
- 運転の前後の運転者に対し、目視等により酒気帯びの有無の確認をするほか、アルコール検知器を使用して確認すること。
《例外》直行直帰や出張時の対応
- カメラ、モニター等によって、安全運転管理者が運転者の顔色、応答の声の調子等とともにアルコール検知器による測定結果を確認すること。
- 携帯電話、業務無線など運転者と対話できる方法により、安全運転管理者が運転者の応答する声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させること。
上記で確認した記録を1年間保存する義務が併せて追加されました。
車両管理規程の作成
事業主(使用者)は、運行の安全を確保する措置として車両管理規程を作成し、社用車の運転者に対して道路交通法をはじめ関係法令を遵守させる必要があります。
また、道路交通法に基づき、乗車定員11名以上の自動車は1台以上、その他の自動車は5台以上を使用する事業所ごとに、「安全運転管理者」を選任しなければなりません。自動二輪車は1台を0.5台として計算し、通勤にしか使用しない自動車は台数の計算に含みません。
なお、安全運転管理者の業務を補助させるため、自動車の台数が20台以上40台未満の場合は「副安全運転管理者」を1人選任することとなります。
安全運転管理者 | 副安全運転管理者 | |
---|---|---|
年齢 | 年齢20歳以上(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上) | 年齢20歳以上 |
要件 | 自動車の運転の管理に関し2年以上の実務の経験を有する者 等 | 自動車の運転の管理に関し1年以上の実務の経験を有する者 等 |
酒気帯びの有無の確認内容は?
運転前後に酒気帯び確認を行い、次の事項について記録します。
- 確認者名
- 運転者名
- 自動車の自動車登録番または識別できる記号、番号等
- 確認の日時
- 確認の方法
- 酒気帯びの有無
- 指示事項
- その他の必要な事項
【警視庁交通部発行のリーフレットはこちら】20230817.pdf (tokyo.lg.jp)
社用車を使用する会社は、車両本体の点検や運転者教育について、整備の機会としてもらえれば幸いです。
下記より「みょうが事務所通信」をダウンロード頂くことも可能です。